「紫外線にあたると色が濃くなるレンズってどんなもの?」


調光レンズについて
 太陽の光や紫外線に照らされると色が濃くなるレンズのことを「調光レンズ」と呼びます。
 よく色が変わると言う意味で「変光レンズ」といわれる方もありますが、レンズの専門用語の中には「偏光レンズ」はあっても「変光レンズ」という名称はありません。メガネ店では「ヘンコウレンズ」と聞けばまちがいなく釣りやドライブで使用する「偏光レンズ」と解釈します。偏光レンズのことはまた別にご説明します。
 調光レンズの開発は実はかなり前からあって、当初はフォトクロミック現象を利用するハロゲン化銀を含むグレーに変化するガラスレンズのみでした。このレンズは相当期間販売されていたので、たいへんなじみのあるレンズでした。しかし調光ガラスレンズの欠点は
  1. ガラス全体で発色するので強度近視のレンズでは中心と周辺の色の濃度に差が出てしまう。
  2. 2~3年使用すると紫外線があたらなくても着色した状態になる。
  3. 屈折率が同じレンズに比べて割れやすい。
  4. 近紫外線を透過してしまう。
  5. 色の種類が少ない。
 プラスチックレンズの調光レンズが開発されたのはそんなに古くはありませんが、試行錯誤があったようで出ては消えを繰り返していました。
 プラスチックの調光レンズも基本的にはガラスと同じフォトクロミック現象を応用しています。メーカーの説明によると、「光(紫外線)の作用により単一の化合物が分子量を変えることなく、吸収スペクトルの異なる2つの状態を可逆的に生成する性質を眼鏡用プラスチックに応用した」ものだそうです。フォトクロミック現象は温度特性により、低温時には発色が早く、高温時は退色が早いという性質があります。




[ HOYA社の資料による ]
HOYA調光プラスチックレンズの大きな特徴は

1.紫外線を100%カットする。
2.素材全体で発色せずにレンズ表面(凸面)コートで発色するので濃度差が出ない。
3.ガラスよりも熱伝導率が高いので応答速度が速い。
4.軽量で割れにくい。
5.フチなし2ポイントフレームにも使用できる。
6.色の種類(5色)が多い。
7.薄く発色するレンズも製作可能。
8.非球面のレンズも製作可能。

などさまざまな利点があります。ただし凸面にコーティング方式で製作しているので、深いキズをつけてしまうとその部分は発色できないという欠点もありますので、取り扱いにはやや注意が必要です。そのためにメーカーではVPコートという撥水コートを標準でつけていますので、ノーマルタイプのレンズよりはやや丈夫になっています。いっそのことSFTコートというキズに強いコートのレンズをラインナップに加えると良いのではないかと思います。

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